加速するベトナムのEV市場と経済事情について

べトナムでは、EV(電気自動車)と電動バイクの市場が急拡大してます。ベトナムとEVの関連性があまり結びつかない人も多くいると思いますが、実は同市場は急激に成長しています。

ベトナム政府は、EVや電動バイクの普及を推進するために施策を講じています。VIETNAM BRIEFINGの「Vietnam Extends EV Registration Fee Exemption Until 2027」では、EVを購入するときに課せられる登録費を2027年まで全額免除にしています。

この市場を拡大するメリットとしては、空気汚染の改善などの社会課題にも関係しています。例えば、空気汚染が深刻化している都市はハノイ市では、冬になると空が濁っています。

主な原因は、多くのバイクが使用されていることです。ハノイ市に旅行へ行かれたことがある方は分かると思いますが、街中には多くのバイクが走り排気ガスの匂いが分かるほどです…

なので、化石燃料を使用する車両の排ガスも問題視されており、EVへの移行は大気環境の改善に貢献するでしょう。

statistaの「Forecasted number of electric vehicle sales in Vietnam from 2023 to 2032」によれば、2023年に17万9600台であったベトナム国内のEVの販売数は、2032年までに64万5千台まで上昇する見込みです。

JETROの「ビンファストが年間3万台超のEVを納車、中国EVメーカーも参入(ベトナム)」によると、2023年のベトナムにおける自動車販売台数である40万台前後に対し、バッテリー式電気自動車(BEV)の販売台数の内訳は約3万台強です。

このEV市場をリードしているベトナムの代表的な企業は、ビングループが運営するビンファーストです。

ビンファストは2021年12月、ベトナムで初めてのEV販売を開始しました。同社の「NEWS」によると、2024年にはEVの累計販売者数(海外を含む)9万7,399まで記録しました。

2023年までに独自でベトナム国内の63省・市すべてに充電ステーションを設置しており、ビングループ内が持つ資産も上手く活用していることも特徴です。

前提として、ビングループの子会社であるビンホームズは、「ビンホームズスマートシティプロジェクト」を進めています。

ビンホームズが手掛ける不動産の種類として、土地付きの一戸建て、マンション、商業施設が挙げられます。この施設内には、学校・病院・ショッピングモール・屋外の運動施設などがあります。

スマートシティ内に充電ステーションも設置することで、住民がよりEVを所有しやすい環境作りにも注力しています。ちなみに私はハノイに滞在していた時に、街中で多くの充電ステーションを見かけました。

ベトナムのEV市場の拡大は、国内の中間層の拡大にも関連しています。OECDの「Under Pressure: The Squeezed Middle Class」によると、2023年には13%であったベトナムの中間層は、2026年に26%まで上昇する見込みです。この中間層の定義は、5,000ドル超から35,000ドル以下の世帯を指します。

ベトナムの所得が増えていくことで、電気自動車にアクセスできる人数も上昇するという循環です。

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